前職は一般家庭の訪問営業。転職後はIT企業で自社開発のシステムを使用している顧客に対するカスタマーサポート業務。有給を活用することで転職活動も楽に行えた

ニックネーム:コージ
年齢:36歳
職業:IT企業で自社開発のシステムを使用している顧客に対するカスタマーサポート業務
お住い:東京都在住

前職は一般家庭の訪問営業。貴金属やブランド用品を売って頂くという内容の仕事

現在のIT業界に転職する前は、一般家庭への訪問営業をやっておりました。
具体的には一般家庭をアポイント無しで訪問し、貴金属やブランド用品を売って頂くという内容の仕事です。

営業会社の場合、どこの会社も似た様な事で悩むのでは無いかと思いますが、やはり毎月のノルマが非常にきつい為に
ほぼ数字を上げる為に努力するという日々が続いておりました。

4年間という、それなりに年数を重ねて勤務していた為に当時のポジションは「主任」という役職を頂いておりましたが
自分の数字のみならず、自分がの下についている社員の数字まで含めて管理しなければならない位置にいた為
会社から感じるプレッシャーは相当なものでした。

仮に私個人のノルマをクリア出来た場合でも、チーム全体の数字がノルマに達していない為に叱責されるなど…正直言って割に合わない仕事だと感じる事も多々ありました。

実力主義の中、降格をきっかけに仕事を見直し転職を決意

ある時期、私はプライベートで家庭関係の問題を色々と抱えており、仕事に集中するという事すらできなくなっていた事がありました。

当然ですが、集中する事が出来ない人間が成果を挙げる事が出来るはずも無く…三か月連続でノルマを達成出来なかったばかりか、営業所内での数字もほぼ最下位でした。

完全実力主義の営業会社である以上、結果を出せない社員は容赦なく降格されます。
主任として長い間勤務していた私が、平社員まで降格する事となってしまいました。

言い訳がましいかも知れませんが、人間調子の良い時もあれば悪い時もあります。降格をきっかけに
「仮にまた主任に戻るくらいの数字を出せたとしても、これ以上長く勤めるのは無理がある会社だ。」と思い
ある程度「蓄積されたノウハウで業務をこなす事が出来る」ような職種の仕事として、以前勤務していた経験があるIT業界へ転職する事を決めました。

転職後はIT企業で自社開発のシステムを使用している顧客に対するカスタマーサポート業務

まず、うちの会社は自社でシステムエンジニアを抱えてインターネット広告関連のシステム開発を行っています。

そして、開発したシステムを顧客(法人)に利用して頂き、月額で保守・メンテナンス料という形で売上を立てております。

顧客がシステムを利用する際、専門的な知識が無いと運用を行う事が出来ない為、私が「カスタマーサポート」として
顧客から「システムを使って、やりたい事」をヒアリングし、私が設定を行うもしくは顧客側が設定出来るようサポートを行うという業務になります。

またその他、顧客側から「現状のシステムでは対応できない事をやりたい」という要望を頂く事があります。

その際も、私が「どういった事をやりたいのか」という要望をヒアリングし、うちのシステムエンジニアに
「こんな概要のシステムは開発可能か」という、顧客とシステムエンジニアの中間に位置するような業務も行う事があります。

プレッシャーのストレスを強く感じたことから転職を決めた

私が転職に至った一番大きい理由としては、やはり営業職だったので「日々のノルマにプレッシャーを感じるため、精神的に非常にきつい」という思いがありました。

また、給料の額が売上の数字によって変わる為「極端に給料が低い月などがある」というのも、今後継続して勤務する事に不安を感じる要因の一つでした。

通常の会社員であれば、日々自分のノウハウを使って与えられた業務をこなす流れで仕事が進む為、無理に数字を追いかけたりする必要がありません。

またシステム関連の職種であれば、専門的な知識が求められる分、平均より高い給与が望めるというのも魅力の一つだと思います。

その為、経験があって0からのスタートでは無いIT業界なら転職先としては最適では無いかと考えました。

社内の雰囲気が前職の職場と違い慣れるのに手間取った

まず人間関係に違和感を感じる事は、社内の雰囲気が営業会社とは大きく異なる事です。
営業会社には体育会系のようなノリがあり、良くも悪くも元気や勢いが求められる業種です。

ですが、一般の事務職やシステム関連では、その様な事を求められる筈もないので
「なんだか活気が無い会社だなぁ…」という印象を受けたのを覚えております。

また、私自身の立ち振る舞いについても指摘を受けた事が幾度かありました。
(例を挙げると「声が大きくて迷惑だ」「話すスピードが早くて鬱陶しい」などと言った内容の指摘でした。)

指摘を受けた当初は「お前が根暗なのがいけないんじゃないか!」などの様に考え、あまり真剣に受け止めていなかったような気がします。

コミュニケーションの量を増やし早朝の掃除なども積極的に行った

まず周りの人間との関係を良くしようと思い、積極的にコミュニケーションを取る事から始めようと考えました。

ただ、現状のままでは「慣れ慣れしい奴だな…」などと思われ、余計に事態が悪化する事が目に見えていたため

「朝早く出社し、簡単に社内の清掃を行う」といった事や
「仮に自分の仕事が無くとも、誰かが残っているうちは絶対に帰宅しない」
という、まずは自分が「会社の事を大切に考えている」という姿勢を理解してもらう事から始めました。
その他にも、理不尽な叱責を受けても嫌な顔をせずに上司に接するといった「媚を売る」ような事や

「周りからの頼まれごとは自分から進んで実行する」という、自分でも情けないと思えるような事まで行っていたと思います。

転職は楽だと感じた。前職に比べていい職場につくことができた

率直に言うと「転職前より遥かに楽」という事でした。
月々の給与額は、一般的な事務社員より若干上という感じでしかありませんが、営業会社で稼いでいた給与額と毎月の平均で比べた場合はそこまで変わりがありません。

またシステム関連の人間は気難かしい方が多い為、人間関係では苦労する部分などありますが、特にプレッシャーを感じるというレベルではありません。

一日の勤務時間は現在の仕事の方が長いのですが、一日中通してずっと忙しいという訳では無い為
どちらかと言うと休憩を上手く挟みながら仕事を行っているという感じでしょうか。

当然専門的な知識が必要とされる為、自ら進んで勉強する必要などありますが、これも以前のプレッシャーと比べると格段に楽だと感じます。

有給や早退などを上手く使えば務めながらでも就職活動はできる

私の場合、異業種に転職した事は自分でも「上手くできた」と考えております。
現状の職種に不満を持っている方がみんな転職に成功するとは限りませんが、あまりにも先が見えないようであれば
思い切って転職を考えてみるのを薦めます。

有給や早退などを上手く使えば、会社に報告などせずとも就職活動くらいは出来るはずです。

現に私は、可能な限り面接は夜に行うよう交渉し、それでも昼間に面接する必要がある場合は「中抜け」という形で会社に申請を出すなどして
一度も会社を休む事など無く転職する事が出来ました。

仕事が辛い時や、人間関係が嫌になる時は誰しもあると思いますが
そんな中で無理を続けて働いていても、この先の安定が得られるとは限りません。
転職という思い切りも必要なのではないでしょうか。