前職は福祉相談員。転職後はアパレル業界。もっと今より人生を楽しみたい人に転職はおすすめ。

ニックネーム:ゆう
年齢:40歳
性別:女性
職業:現在は専業主婦
お住まい:兵庫県

前職は福祉相談員。病気の理解が得られず働きにくくなった。

福祉相談員でした。
元々身体が弱かったため、介護職ではなく、相談職の枠で応募して採用されました。

入社時にも持病を証明する書類を提出しました。
しかし、持病が見た目には全くわからなかったため、周りの方からは健康体だと思われていました。

こちらとしても、お一人お一人に「実は病気なんです」と説明するわけにもいかず、ちょっと体力的に難しいことも無理をして取り組んでいました。

介護職は年配の方が多く、50代60代の職員も、腰痛を抱えながら介護業務に取り組んでいました。

その中で、当時20~30代の私が、介護は一切手伝わないというのもかなりの違和感でした。

周りに悪気がないのは分かりますが、でも実際「まだ若いのにね」「わたしと代わってほしいわ」と言われると、こちらも辛いものがありましたし、
代われるものならいくらでもかわりたかったです。

利用者の方が事故を起こし、それをきっかけに退職を決めた。

利用者が倒れた際に、私も含め職員が数人しかおらず、その時の職員に「もって!立って!」
(倒れた利用者を一旦施設に運ぶため担架に乗せて、私にもその担架をもって!立って!運んで!の意味でした)

そのように叫ばれたのですが、とっさのことで「できません!」としか返答できませんでした。
実際、その担架を持ち上げることは、私の健康状態では不可能でした。
結局、私以外の数人の職員でその担架は運ばれ、利用者は無事でした。

後にその職員が私にあやまって下さったのですが、わたしの身体のことを知っているのかどうかは分からないままでした。

「咄嗟のことで、大声を出してすまなかった」とあやまって下さったのですが、もしそこに私が「実は私は持病があって・・・」なんて話すと、余計気まずい想いをされるのではないか、そう思うと何も言えませんでした。

持病があるかどうかなんて他人にはわからないことですし、お互いにしんどい想いをするだけなら、この仕事は諦めるべきではないかと思い退職しました。

転職後はアパレル業界。給与計算、社員の福利厚生、健康診断、採用、入社退社を担当。

アパレルの地方支店の人事課に配属されました。給与計算、社員の福利厚生、健康診断、採用、入社退社などを担当していました。

福祉の相談員をしていたので、社会保険や税金、労務管理、雇用問題、メンタルヘルスなどに知識があったことから、人事課の仕事にはすぐ馴染めました。

ただ、ずっと社会福祉法人に勤務してきて、一般企業の仕組みが全くわからず、当面は支店内での人事課業務・時々、総務課のお手伝いにいく程度でした。

本来、人事課では社員は支店以外のお仕事(海外拠点の法整備や実地棚卸など海外への同行、本社での新人研修など)も担当するものでしたが、私自身が英語を全く話せなかったため、人事課の仕事の中でも地方支店勤務者対象の職務のみに限定されていました。

同業種だとまた同じことを繰り返すと思い異業種への転職を決めた。

福祉業界で転職したら、また同じことが起こるのは明白でした。福祉法人の事務職員でさえも、人手が足りないときは少々の介護のお手伝いはありました。

この業界にいる以上、「相談員なので介護はしません」「事務員なので介護はしません」なんてことは中々通らないし、周りも年齢が高く、腰痛のある40代~60代の介護職員の中で、20代~30代の私が一切介護業務をしないのも不自然すぎるので、福祉業界を離れることにしました。

ずっと福祉一本だったため他にやりたいことが浮かばず、これまでの職歴から出来そうなことは人事と思い、業種には拘らず「人事」の職種で探しました。

金融・商社・アパレル(それぞれ人事)の3社を応募し、アパレルで採用になったため、そこに就職しました。

業界特有の言葉に付いていけず、聞ける人がいなくて困った。

新卒からずっとその会社にいる人には当たり前に通じる言葉が私には全くわからなくて、その都度、質問するのですが、その説明が更に分からず次第に質問しづらくなりました。

例えば、「決裁おりた?」「回付しておいて」「稟議あがってる?」「経費に折り込む」「伝票おちてる?」

このような簡単な単語でさえも、最初は意味がわからなかったです。
特に会計システムが全く理解できず、福祉法人で勤務していた時は現金は出納帳に手書きしていたので、転職後に会計システムで自分で精算してと言われてもさっぱりでした。

未払や未収の意味さえ分からず、先輩に訊けば訊くほど余計わからないのですが、海外の会計システムを使っていたので書店にマニュアルもなく、自分でもどうしようもない状態でした。

30代で転職して、これまで10年異業種でがんばってきたつもりでしたが、異業種に転職した以上は30代にもなってもそこでの知識は新卒並みで、「誰にも訊けない」ことが困りました。

情報を整理して一度間違えたことは間違えないように心掛けた。

わからないなりにも覚える・理解するためには数をこなすしかないので、自分なりにヘルプを見たり、過去のファイルを見ながら推測して、
一応できそうなところまでは自分で作業を進めて、どうしても分からないところだけをまとめて質問するようにしました。

正直、なにをしているのか分からないまま作業していた案件もありますが、「理解して取り組む」ような余裕はなく、「やりながら理解していく」ような状態でした。
そのため、時々やり直し伝票も出しましたが、一度間違えたことは次には間違えないように徹底的に自分で叩き込みました。

次第に昇格していて、最初は30代新卒並みのレベルから始まったことでしたが、気付いたら年齢相応のお給与も頂けるようになり、「人に訊けない」というシチュエーションも無くなっていました。

転職するならその業界のもことをしっかり調べてからがおすすめ。

転職前は「中堅ベテラン」だったのが、転職後「人に聞かなければ何も分からない状態」に陥ったことは正直ショックでした。

ですがコツコツ地道に働いていたら、そんなことはそのうち解消されました。
また、転職前は「人に教える立場」にいて、当時は新入社員の不安な気持ちを考えてあげる余裕もなかったのですが、
自分がこのような経験をしたことで新入社員の気持ちも少しはわかるようになったので、結果的には良い経験でした。

私の場合、「人事」の仕事がしたかっただけで、「アパレル」の業種には全く興味ないまま入社したのですが、そのことは少々反省しています。

知らずに入社して結果的には良い会社でしたし、アパレルに興味がなくても仕事上まったく支障はなかったのですが、社会人として転職するには業種もきちんとみておくのが常識だったかなと思います。

困難を乗り越えた後に大きな自信がつく。

異業種への転職は、おそらく辛いことも慣れないことも戸惑うこともあるかと思うのですが、
何事も経験で、むしろその困難を一つ一つ乗り越えてきたことが後々の大きな自信になっています。

私は本当に我が強くて、わからないことを素直に訊けないし、知らないことを知らないと言えない、人よりも早く仕事を覚えて一番になりたい!と、可愛げもなく今までやってきてしましましたが、
もしかしたらもう少し謙虚になって、柔らかい人になって、周りに頭を下げながら働いたほうが良かったかも知れないと、そこは後悔しています。

異業種への転職ということで、周りより遅れている、遅れを取り戻さねば・・・と必死だったので、一心不乱に働いてきましたが、周りはランチやサークルに誘ってくれたり、親切な方ばかりでした。

仕事を覚えるのも大切かもしれませんが、プレッシャーを脱いで、もう少し人生を楽しむ・・・これからの方には、そんな転職をして欲しいと思います!