前職は保育士。転職後はWEBライター。前職で培ったスキルは転職にも活かすことができる

ペンネーム:うさこ
年齢:31歳
性別:女
職業:WEBライター
お住い:大阪府

前職は保育士。子どもの成長をサポートしていく仕事。

私は転職をする前は、保育士として保育現場で働いていました。パソコンには事務作業で触れる程度で、経験も知識もほとんどありませんでした。

保育士は、保育施設で子供と一緒に遊んだり日常のお世話をしたり、子どもの成長をサポートしていくことが仕事です。保護者の対応や行事の企画運営、集団にも個人にも、幅広い十人十色の対応が求められる、そして命をお預かりする責任重大な仕事と感じて下りました。

保育士をしていると、子どもと関わることで得られること(勉強になる、喜びがある、気づきがある)はとても多かったのですが、体の弱い私には体力的に厳しい目が多かったのと、また保育士業界にありがちな人間関係の悩みにもつらさを感じ、バーンアウトする前に転職をしようと思いました。

体力的に限界を感じ周りに気遣いすぎるなど精神的にも辛かったので転職を決意。

きっかけは、自分自身も働きながら子育てをしていて、妊娠や出産や育児についてインターネットでいろいろ検索をした際に、役に立ったり不安になったりという経験をよくしていました。

保育士として現場を離れても、これまでの自分の職業人としての経験やイチ母親としての経験が、インターネットで発信することによって、また違った形で「子育て支援」に携われるのではないか、と感じたことでした。

保育士としては、体力や気持ちの面(周りの人に気を遣いすぎる、目が気になるなど)で毎日必死だったけれど、パソコンに向かっての作業なら一人で座って集中できるし、先述のように今の私にやりたいことに一番合っているかもしれない、と思い、執筆業に転職をしました。

転職後はWEBライター。育児系のコラムを主に発信する仕事。

WEBライターとして、育児系コラムや受験・保育など、親と子ども、子育て全般に関わる記事の執筆に携わっています。考えたり伝えたりする内容は、保育士として学んできたことと似ている面もありますが、WEB業界、事務職という、まったくの異業種だと感じています。

いくつかのWEBメディアと専属ライター契約をしてもらったり、専属でなくとも必要とされればそのネタを調べ(取材)、構成を担当者と一緒に考えながら、それぞれの媒体の求める記事に書き上げるのが仕事です。

もちろん、WEB業界のルール等も知っていかなければならないため、WEB研修や基礎的な執筆業等も同時に受けながら、メインは子育てメディアに関わらせてもらっています。

WEBライターでは自分のペースで仕事ができるため転職を決めた。

保育士の仕事は、たしかに施設が変わると方針や雰囲気は変わります。しかし、根本的に「体力がいる」「責任が重い」「人間関係に気を遣う(同僚だけでなく保護者など)」ということに変わりはありません。

それを避ける、というと保育士としては失格なのかもしれませんが、肉体的・精神的にそれが難しい段階で無理をして現場に出てしまうと、子供を危険な目にさらしてしまったり(不注意からの事故など)、保育施設の信頼を私のせいで裏切ってしまうかもしれない等、今の私ではそのように感じられます。

WEBライターが決して楽、という意味ではありませんが、自分の中で一呼吸おいて整理をしながら、自分のペースで仕事を進めていく(納期を守れば)ことができる働き方は、今の私には合っていると感じました。

また、この経験がもし現場復帰をすることがあっても、必ず役立つと感じているためです。

WEB業界の先輩は優しく困ることはなくなった。

人間関係で困ることはなくなりました。WEB業界ではじめてということで、先輩方はとても優しいですし、私もいまのところ無理な仕事は受けていないので「間に合わず足を引っ張ってしまう」などということもなくなり、「目立ってできる人間ではないけれど足を引っ張る人間でもない」くらいの立場には慣れていると思うからです。

(保育士の頃は、年齢の割に経験が浅く足を引っ張ってしまっていた上に、体力がなくその面でもおおく迷惑をかけてしまっていました。)

また、気になることがあってもオンライン上で助け合うなど、「人と人との関わりは面と向かってすることがすべてではない」ということにも気づけました。

取材なども一人で出かけることがほとんどなので、人間関係の気遣いはありません。

ライターの技量を上げることやSEOなどの専門知識を身につける努力は影で続けた。

困難はありませんでしたが、やはりWEBライターにとっては、納期や技量など、最低限度のことを満たしていることは絶対条件となると思います。

明るい、元気、ポジティブなどの要素も大切ですが、いい加減な人だと逆に読者や編集元とは顔が見えない関係だからこそ、評価が落ちてしまうと思います。

なので、自分のペースで仕事ができると言っても、かならずやらなければいけないことは優先的にすましておく必要があると思います。

私の場合はパソコンの素人だったため、本格的に担当をもらうまでに、自分で「SEO」「薬事法(現薬機法)」など、コンテンツを作る上で必要な事は仕事外で勉強をしました。人と円滑にいくためには、仕事の話を対等にできる必要があると思うので、そこに陰の努力ができるかどうかかと思います。

異業種に転職したことでこれまでの仕事が客観的に見ることをができ、違った形で社会貢献できることに気がついた。

私は結果的に良かったなと思います。これまでは、保育士以外にも、学校関係学習関連など、とにかく現場がメインの仕事ばかりをしていたため、座ってパソコンに向かって…という仕事は経験したことがありませんでした。

でも、こういった全くの異業種に転職してみたからこそ、これまでの仕事について客観的に見ることができたり、よりそれぞれの職業の方が求めている材料(コンテンツ)が見えてきたり、ちがったかたちで社会貢献できているという実感はとても嬉しく感じます。

また、「やってみなければ可能性は出てこない」ということにも、気づくことができました。大人になってから未知の業種に転職は、正直勇気がいりますが、私が感じた喜びや悩みは、転職したからこそ感じられたものだと自分が一歩踏み出せたことに喜びを感じています。

これまでの仕事の経験が転職にも生きる

高校時代や大学時代のアルバイトなどとちがい、大人になってからの転職は、どうしてもこれまでの経験・もっている資格などにしばられて、狭い範囲で選択せざるを得ないかもしれません。

しかし、たとえば営業から別職種を狙う場合には、「経験はないけれどコミュニケーション力には長けている」、事務職から現場系の仕事を狙う場合にも、「必要な書類作成等がスムーズにできる」と、それぞれ別のフィールドでも役立つスキルが必ず付いていると思います。

転職をすることになっても、これまでの仕事の経験は、決して無駄ではないと思います。人生一度きりなので、やりたいことにチャレンジをしておく方が、毎日をいきいき、後悔なく過ごすことができると私は思います。