前職は地方の県立図書館で非常勤の司書。転職後は特許事務所の事務員。人生180℃いい方向に変わって転職してよかった。

ペンネーム:雪味大福
年齢:30歳
性別:女性
職業:特許事務所の事務員
お住い:東京都在住

転職前は地方の県立図書館で非常勤の司書。外国図書と寄贈図書の生理・分類に関する業務。

職に転職する前は、地方の県立図書館で非常勤の司書をしていました。
具体的には、外国語図書と寄贈図書の整理・分類に関する業務をしていました。
もちろん司書は素晴らしい職業であり、上司や同僚に囲まれて楽しく過ごしていましたが、任期が1年しかなく、
また、非常勤職員なので給与も低く、自立するには正職員を目指すか、異業種に転職するしかありませんでした。

図書館業界は、よく知られているように、正職員が極端に少なく、多くの非常勤職員によって成り立っています。
都道府県や市町村の図書館の正職員になるためには公務員試験を、大学の図書館の正職員になるためには大学職員の試験を受験し、
合格する必要がありますが、採用数が極端に少なく、長年試験浪人をしている非常勤の司書も少なくありません。

私に試験を受験する力はあるのか、何年も正職員を目指して低い給与のまま働きながら受験勉強を続ける覚悟はあるのか。
そうまでして司書になりたいのか。
そのような葛藤を抱えていました。

任期お終え、給与に満足いってないこと。3年後の仕事に保証がないことから転職を決意。

「2.」で述べた通り、1年の任期を終えたからです。
1年任期の臨時職員ののち、3年任期の契約職員として図書館に残るという選択もあり、実際に上司からお誘いも受けましたが、
契約職員も給与が少なく、3年後の仕事の保証はないこと、
そして非常勤だらけの図書館業界に失望したのもあり、異業種へ転職することを決意しました。
なお、図書館業界には失望しましたが、前職にはいい感情しかありません。

司書として経験がなかった私を雇用し、育ててくれた上司には感謝の気持ちでいっぱいですし、
同僚とは仲が良く、現在も連絡を取り合うほどです。
図書館業界を去って5年ほど経ちますが、図書館に行くと、いまでも司書をしていたことを思い出します。

転職後は特許事務所の事務員。弁護士をアシスタントし、産業財産権の出願業務を代行する業務。

現在は都内の特許事務所で事務員をしています。
特許事務所とは、弁理士が経営する事務所であり、産業財産権の出願業務を代行する仕事をしています。

一般に馴染みがないかもしれませんが、法律事務所にいるのは弁護士、社会保険事務所にいるのは社労士、特許事務所にいるのが弁理士、
といえばイメージはつきますでしょうか。

私は、そんな弁理士のアシスタントとして役所(特許庁)に提出する書類を整えたり、顧客に納品したりする業務をしています。

私の働く特許事務所は化学やバイオ、機械系の特許をよく扱っており、転職当初は慣れない法律用語や化学やバイオ、機械系の用語に戸惑いましたが
(私は法学部でも、そして理系の学部出身でもありません)、猛勉強し、実務をこなすまでになりました。
残業も多いですが、毎日楽しく働いています。

供与の水準が高いこと。特許業界の将来性があることから転職を決めた

「2.」と「3.」でも述べた通り、多くの非常勤職員で成り立つ図書館業界に失望し、
また、正職員を目指して頑張っていくほど、司書という職業に思い入れが持てなかったからです。
また、司書はかなりの専門職である一方で図書館業界でしか使えないスキルしか身に付きませんし、正職員になっても給与は低いです。

一方の特許業界は非正規職も少なく、給与の水準が高いです。
実際、転職当時は25歳、未経験でしたが、年収400万円以上いただけました。

また、ニッチな業界であるために、一度業務を覚えれば、年齢を重ねても転職することができ、
そして何歳でも事務員から弁理士を目指すことも可能(ただし、弁理士試験に合格することが必須)であることから、特許業界へ転職しました。

最初は業務のスピードに付いていくことができず仕事の進め方が違うことに馴染めず苦労した。

業務のスピードの速さと、仕事の進め方の違いにとても戸惑いました。
というのも、図書館業界は役所の世界であり、いわゆるビジネスの世界ではないため時間の流れがのんびりしており、
一つの業務を一か月以上、もしくは一年以上かけて進めることが多いです。

一方の特許事務所はビジネスの世界であり、手続期限や回答期限が明確に決められており、
そしてそれが今週中、もしくは今日中、ということも日常茶飯事です。

また、図書館では個々人が独立して仕事を進めていましたが、特許事務所はチーム制であり、
多くの人間に根回しをし、連絡を取りながらチームで仕事を進めるので、
その仕事の進め方のギャップに戸惑い、最初はとてもストレスが溜まりました。

チームメンバーとの交流は図り、メンバー同士の作業内容を確認しなうなど業務が止まらないような仕組み作りを行った

まず、その困難に遭遇した時、とても戸惑い、ストレスが溜まりました。
ストレスが高じ、過食に走り、10kg太ってしまったほどです(しかも太ってしまったことに自覚がないことが恐ろしい)。

困難をしかしその乗り越えるために、まずはチームメンバーと日ごろから積極的に雑談をするなど、コミュニケーションをとるよう努力し、
また業務上でも密に情報共有し、誰がいつ休んでもチームの誰もが案件を進められるようにし、業務が止まらないような仕組みを作りました。

従前は経験が浅いメンバーと熟練メンバーで仕事の仕上がりに格差がありましたが、
それをできる限りなくすため、メンバー同士で作業内容を確認しあったり、マニュアルを作成し、業務を統一化するよう、心がけました。

金銭意欲が高い仕事へとシフトしたので、自分の意識が改革が必要だと感じた

最初は、とても戸惑いました。
「7.」でも述べた通り、ストレスで過食に走り、10kg太ってしまったほどです。
異業種、特に私は公的サービスからビジネスの世界に転職したために、
仕事の進め方(「7.」の通り、個人独立制からチーム制へ)のみならず、
お金に対する考え方(公的機関は税金で運営しているせいか、お金に対する意識が低いです。

ビジネスの世界は「稼ぐ」という意識が強く、金銭意識が高いです。)、
顧客へのサービスの提供(公的機関はすべての国民に等しいサービスを提供する一方、ビジネスの世界は報酬に応じてサービスの質を変える)
についての考え方も異なりました。

どちらが優れている、劣っている、という優劣はありませんが、転職してから意識を自分で改革するのが重要です。

人生が180℃いい方向へと変わった。自分へ「大成功だよ!頑張ってよかったね」と声を掛けてあげたい。

異業種に転職するのは、とても怖いでしょう。
私も、最初はとても怖かったです。

私の選択は正しいのか、間違っているのか。
転職したはいいものの、馴染めず、早期離職しないか。
数年後、転職してよかったと笑えるのか。
そんなことを思いながら、転職初日を迎えた思い出があります。

異業種に転職して5年が経ちました。
図書館にいたときは年収100万円ほどでしたが、今では年収450万円になりました。
薄暗い書庫で汗とホコリまみれになりながら書架整理をしていた私は、
今では都心の綺麗なオフィスでオシャレなOLの恰好をし、デスクワークをしています。

人生が、いい方向に、180度変わりました。

5年前、転職初日、「数年後、転職してよかったと笑えるのか。」と不安に思っていた私に、私はこう声をかけてあげたいです。

「大正解だよ。頑張ったね。」

みなさんも、少し勇気を出して、異業種転職をしてはどうでしょうか。
きっと数年後、笑っていられるはずです。