前職はホテル業界。転職後はプログラマー。転職は人生設計のいい機会になる。

ペンネーム:いち
年齢:24
性別:女性
職業:プログラマー
都道府県:千葉県

前職はホテル業界。夢見てこの業界に入ったが現実とのギャップにがっかりした。

新卒で入社した職場は、私が小さい頃から憧れていたホテルでした。旅行大好き一家で生まれた私は、国内・海外問わず旅行が大好きで、将来は非現実的な感覚が味わえるホテルで働きたい!と強く思っていました。

ホテルマンは華のある職業だと思っていましたが、いざその裏側に回ると過酷な現場に息が詰まりそうな毎日でした。基本的にゲストの要望には「NO」と言えません。無理難題を言われようと、ゲストのために全力でお応えし、一流のサービスを提供しなくてはならないのです。

新人のうちはイレギュラーな事態ばかり起こる毎日に疲れ果て、臨機応変に対応できていないと先輩方には叱られてばかりでした。

そんな嫌な思いばかりしていてもここは夢にまで見た憧れの職場・・・そう自分に言い聞かせていました。

友達が結婚したことで自分の将来について考え直して転職を決意。

転職したいとふと思うことはあっても、ここで逃げたら負けだと言い聞かせて4年ほど経ちました。

俗にいう「とりあえず3年」が過ぎ、転職が逃げではなくステップアップだと考えられるようになるまでは長くかかりました。

そんな時、転職を強く意識するようになったきっかけが親友の結婚でした。

 

自分にはまだ結婚の予定はありませんでしたが、遠いパートナーの住む地に嫁ぐため仕事を辞め、知り合いの全くいない環境で暮らすことになった親友の悩みを聞いていたのです。

「特別なスキルもないままでは都会以外じゃろくな仕事もない、この年で仕事を探してすぐ育休なんてもらえないし、田舎のスーパーで終わるなんて嫌」この言葉を聞いた時とてもショックを受けたことを覚えています。

転職後はプログラマー。データの選別や集約、アシスタント業務が主な仕事。

ずるずると今の仕事が合っていると言い聞かせていてる時間は無駄、そう考えるようになってからすぐに転職をしました。

新しい職場は日々生まれる膨大なデータから、必要なものを選別して分かりやすく集約し、営業部や企画室へと展開していくアシスタント業務を主としていました。

ただデータを溜め込んでいくだけでなんの意味もなく、抽出と加工が大事であると日々実感する職場です。そのデータを誰しも用途に合わせて使いやすくするため、プログラムを組み立ててシステム構築をしていくという業務を新たに任されました。

正直プログラミングのスキルはゼロからのスタートだったので不安でしたが、日々の仕事への向き合い方が評価され、挑戦するチャンスをいただけたのだと前向きに捉えています。

ホテルという業界がこの先ずっとあるのかわからないという不信感から転職を決めた

親友の結婚がなぜきっかけとなったのか、それは今の自分の仕事が、この先もずっと続けられるものなのか確信を持てなくなったからです。

ホテルは日本全国にたくさんありますが、ホテルならなんでもいいというわけではありません。高級感あふれる一流のホテルで働きたい、外資系の英語を生かせるホテルで働きたい。

 

たとえそういったホテルが見つかったとしても、結婚して子供を産んで年を取っても働けるのかという疑問が生まれたのです。

この先身近な人と結婚するとは限りません。もしかしたら遠くへ引っ越すことになるかもしれません。

ホテルで働くことができなくなったとき、自分には一体何ができるのだろうか。自分を試すために全く異なる職へ就こうと決めたのです。

入社時はわからないことばかりで苦労の連続。周りからのプレッシャーも感じていた。

ホテルで働いていた人間が、急にシステム開発できるわけはありません。当然日々の勉強は欠かせませんし、1人ではなんの役にも立たない状態でした。

本来中途入社では即戦力として力のある人材が求められることが多く、全くの未経験者を雇ってくれるケースは稀です。特にサービス業は「誰にでもできる仕事」と思われがちなので、どれだけ勤続年数が長くてもあまりスキルを認められないのが現状です。

なんで右も左も分からない奴を雇ったんだ?誰も声には出しませんが、入社当社はそんな視線をヒシヒシと感じる毎日でした。

しかし今辞めてしまっては転職を決意した意味がない、心の底から本当に辞めたいと思うような出来事があるまでここで頑張るんだと、逃げの選択も頭の片隅には置きながら、前向きに考えていました。

教えを素直に学び、プライドを捨てた。どんな雑用でも積極的にこなした。

どんなに悔しがっても、まだ1人では何も仕事にならないことは事実です。

 

その事実を受け止め、今までのキャリアのことは一旦忘れて、とにかく「何でもするので教えてください」のスタンスでいくことにしました。

プライドを持つことも大切ですが、時にはプライドを捨ててぶつかることも必要です。

教えてもらうためには相手からの信用を得なければなりませんよね。こいつに教えるなんて時間の無駄、一度そう思われてしまうと関係の改善は容易ではありません。どんな雑用も積極的にこなし、話したことのない人でもしっかり挨拶をし、どんな些細なことでも疑問点は都度質問をして解消する。

 

気疲が酷い毎日ではありましたが、このスタンスを貫いたおかげで先輩方には「根性あるやつだ」と言ってもらえるようになりました。

最初は不安ばかりだったが徐々にこの先のビジョンをポジティブに描けるようになった。

転職が決まった時は、何もない自分を採用してくれたということで、とにかく嬉しかったのを覚えています。

この会社で成長する見込みがあると、内面を見て評価してくれたように感じました。

そして迎えた入社初日、あり得ない量のパソコンやモニターの山を見て、本当にこの業界でやっていけるのかとても怖くなりました。

初めて働き始めた時の妙な緊張感を思い出し、その日の帰りは自分の選択が間違っていなかったのかグルグル頭の中で考えていました。

しかし会社に慣れてきた2.3ヶ月後にはこれらの不安はほぼ消え、むしろこの先のビジョンを描くようになりました。

この会社を通じて自分はどうなりたいのか、見ている場所が現在から未来に変わったこと気づいたときには、この会社に自分が馴染んできたことを実感しました。

やってみたいことが少しでもあるならやるべき。行動すれば必ず成長がある。

転職は楽しみでもあり不安でもあります。特に異業種への転職ともなれば人生を変える出来事にもなりますし、それが正解なのかどうかは誰にもわかりません。

しかし自分の可能性を信じて悪いことはないと思います。やってみたいと少しでも思うことがあれば、何事も挑戦してみるべきです。やってみてこれが自分の天職だったんだ!と気づくこともあれば、前職がいかに自分に合っていたのかという気づきを得ることもあります。

今や終身雇用制度は崩壊しつつあり、転職を重ねてステップアップしていく人たちが社会で活躍しています。

 

転職を考えることは自分の人生を見つめ直すいい機会でもあり、今後の人生設計を考えるきっかけにもなります。

不安な気持ちに打ち勝ち、ぜひ未知の業界に飛び込んでほしいと思います。