前職は歯科衛生士。転職後は建設会社の事務員。チャレンジしてみて良かった。当時の自分の勇気と職場との縁に感謝している。

ペンネーム:ななこ
年齢:50歳
性別:女性
職業:主婦
お住まい:兵庫県

前職は歯科衛生士。人間関係のバランスをとるのに失敗し転職を繰り返した。

転職する前の仕事は、歯科衛生士をやっていました。
歯科衛生士の資格をとるために衛生士の専門学校へ入り、やっととった資格でしたが、歯科医院という業務形態に入った時から悩み葛藤を抱えていました。

大きな歯科医院なら話は別だと思うのですが、たいていの歯科医院は、ドクターひとりかふたりに、アシスタントや歯科衛生士、合わせて4,5人の人が働いているというのが普通なのではないかと思います。
で、4,5人の人間関係が良好ならいいのですが、その人間関係が狭いゆえにバランスを取るのがとても大変でした。

人間関係のバランスをとるのに失敗して、3軒くらい転職したのですが、
1軒目、ドクター一人、歯科衛生士3人という形態の歯科医院だったのですが、ボスの歯科衛生士の方がおられて、この方のご機嫌をとらないと、業務がとどこおるというような感じのところでした。

ボスのその職務態度をドクターもよく思っておられなくて、このお二方の間もぎくしゃく、私は当時新人だったので、お二方の間でおろおろ、あまりにつらくてここはすぐに辞めてしまいました。

2軒目、ここはドクター二人が父親と息子という親子関係でした。
アシスタント、衛生士は合わせて3人で、アシスタント間の人間関係は良好だったのですが、父と息子の関係が極甘状態で、患者様が大迷惑では?といつもハラハラしながらのアシスタント業務でした。(息子ドクターの仕事がとても雑だったのです。でも父ドクターは息子のすることなんでもOKだったんですよね。)

アシスタント間が仲がよかったので、長く続けたのですが、一人が結婚などで辞めたりすると、関係が崩れ、私も辞めてしまいました。

3軒目、こちらはドクター一人にアシスタント、衛生士が3人という形態でした。
アシスタント間の中も、ドクターとの関係もそう悪くはなかったのですが、繁華街にあったからか、ダブルワークのアシスタントや身持ちの崩れた方が助手として入ったり、辞めたりしていました。

で、ドクターの女性関係も派手だった。飲みに行きやすい距離に職場があると、働く人にも影響するのかな?と思ったくらいでした。
診療に差し支えることはなかったですが、休み時間に愛人が来るのは勘弁してほしかったです。

銀行や事務職に憧れがあり、たくさんの人がいる職場に勤めてみたかったので転職を決意

そんな歯科衛生士という職業柄、歯科医院しか就職したことのなかった私は、小、中学校が同じだった同級生から、異業種、たとえば、銀行やら、会社事務をしている人から、「上司」や「同僚」というワードがたくさん出る話を聞いて、すごく憧れました。
そして、20代も終わりの頃、このまま憧れで終わるのはいやだ、と「歯科衛生士」という仕事を辞めることにしました。

資格をもっているため、辞めることは資格がもったいなくも思ったのですが、とにかく、たくさんの人がいる職場に勤めてみたかったのです。
少人数の人の感情の波を泳ぎながら、ずっとこのまま生きて行くのがいやでした。

もっと多くの人のことを知ってみたいし、かかわってみたい、という気持ちが高まり、20代終わりという年齢が拍車をかけ、転職を決意しました。

転職後は建設会社の事務員。お茶くみ、コピー取り、掃除などの業務。

転職した仕事は建設会社の事務員でした。
私の仕事は、建物の建設にかかわる材料管理や手配、日常の細かな備品購入や、お茶くみ、コピー取り、図面を届けたり、図面を頂きに行ったり、作業所が開かれると、その作業所での、お茶くみ、コピー取り、掃除、日誌の管理、お茶、茶菓子の購入、購入したもののお金の管理なんかもやっていました。

工事写真の整理とかもやらせてもらったりしたのですが、とても面白かったです。
今はCADだと思うのですが、当時はでっかい透かしの紙に図面が印刷されていて、それを整理するのも好きでした。

もともと、家の中が整っているという状態が好きだったので、会社の中を整える、事務という仕事がとても楽しく感じました。

もっといろんな人と一緒に仕事をしてみたかったので他業種の仕事に転職した。

歯科衛生士という仕事は、とても狭い仕事です。スペシャルな仕事かもしれませんが、そこで働く人たちの人間関係がとても狭く、もっといろんな人たちと「一緒に」働いてみたいというのが異業種への転職を考えた理由です。
上司というものをもってみたかったし、しかも、複数の上司がいるなんて、なんてラッキーなんだろうといつも思っていました。

自分でかかえた、仕事の悩みやどうするべきかわからない時に、相談する人がたくさんいるってすばらしいって思いました。
同じ仕事をしている人もたくさんいて、2,3人なら、その2,3人に人間関係やご機嫌を考えなければならないのですが、たくさんいるなら、その気になる2,3人を外して考えればいいのですから、大人数で仕事するって、気持ちが楽だろうなぁと考えていました。

転職後は異性関係の問題が多く、気を遣った。

事務職での人間関係はとても良好でした。
ただ、異性問題が一番困りました。

女性もたくさんいたので、誰それが好きとか、手を出すなとか、取引先の人を狙っている人なんかはもうその事に夢中ですので、そのことに触れないようにするのがとても大変でした。
異性問題は以前の職種では、違う人と出会うというのが、患者さんか、取引先の医療メーカーの人くらいしかいないので、こういった事は初めての経験でした。
こんなに異性問題が職場での影響があるのかとびっくりしました。

男性も女性も入り混じって、大勢の人が働くというのはこんな感じになるんだなぁととても新鮮でしたが、その部分にうとかった私は話題に入り込めなくて、そこはとても気を遣いました。

異性関係問題には、入り込まず、聞き役に徹するを徹底した。

異性関係問題には、入り込まず、聞き役に徹するを徹底しました。
入り込むと、やっかみに変わったり、派閥に変わったり、人の気持ちがころころと変わるので、私は仕事を変えたばかりで、しかも畑違いに入ったので、とにかく仕事のことを考えるには、そういった問題に多く足を突っ込み過ぎないことが一番だと考えました。

おかげで、聞いてくれると相手は思っているので、こちらへ問題がふられることはなく、蚊帳の外でずっと過ごせました。
ただ、いつまでたっても、自分の異性問題に進展がなく、だんだんとお局様状態になっていくので、焦りました。

そういった問題には関係のない人と思われるのはいい時もありますが、自分に必要な時は寄ってこないので、婚期がずいぶんと遅れてしまいました。

異業種に転職してよかった。当時の自分の勇気と職場との縁に感謝している。

私は異業種に転職してよかったです。
自分が欲しくてとった資格がかならずしも自分にあっているか、それは働いてみないとわからないとつくづく思いました。

資格というスペシャルな業種は職場も案外スペシャルで、万人向きではないのかもしれません。
そういった部分も考えて資格を取得するのも大事なのだなということを学びました。

事務という職種は資格を必要とするところもあるかもしれませんが、私が入社したところは特に資格もいらなくて、仕事ぶりや人柄などを重視するところのようだったので、「相性」や「縁」というものも仕事選びにはとても重要なことなのだなぁと学びました。
とりあえずチャレンジしてみて良かったと、いまでは当時の自分の勇気と職場との縁に感謝しています。

自分の心を常に見て、自分にウソをつかない事が大事。

異業種にチャレンジというのは、生活もかかっているので、とても難しいと思いますが、自分の気持ちにはなかなかウソはつけません。
ウソをつきづづけると、身体がおかしなことになってきます。

自分の心を常に見て、自分にウソをつかない事が大事だと思います。
人生一度きりですから。その時チャレンジしなくても、それも人生の選択だから間違いではないし、異業種に飛び込んでみるのもひとつの単なる選択にすぎないのです。

自分の気持ちが一番落ち着くのはどっちかな?と考えて行動するというのが私が学んだことです。
ただ、どんな結果になっても、その結果は一見マイナスのような結果でも長い時の中では、けしてマイナスではない事が多いのではないかと思っています。

今だからこう考えられるのかもしれませんが、自分で選択したすべては実はいい結果につながっているのでは・・・と、思います。