前職は生コンクリートを管理する建設業。転職後は病院施設のビルメンテナンス業務。勤勉な人が多く適職だと思った。

ニックネーム:はなもげ
年齢:43
性別:男
職業:設備管理
お住い:和歌山県

 

前職は生コンクリートの品質管理。

以前は、生コンクリートの品質管理をしていました。
生コンクリートは完成品を顧客提供するのではなく、現場で硬化して完結します。

この為、建築基準法や土木学会には受け入れ検査を規定しているのですが、受け入れ検査の専門機関が周辺に無いため、製造者が代理で受入れ検査を行うといういびつな状態になっていました。

地元零細企業は、この受け入れ検査がお金がかかるため、購入者という立場を利用して偽造を供用する悪しき慣習が横行していました。

会社が倒産することで辞めることが出来ましたが、二度とこういった事に係わりたくないと思いました。
現場施工者はスランプが柔らかいのを好むため、仮に18cmを規格とすると20cm程度、許容範囲いっぱいで持ってきて欲しいとかふざけたことをいいます。

18±2.5cmなので、試験は合格ですが、数値はおかしくなります。これの偽造も頼まれました。(大手です)

 

偽造行為に耐えられず、思い切って異業種への転職を決意。

会社の終盤では出荷証明記録(出荷時の品質管理データ)を提出することで偽造書類を出さないようにすることが出来ましたが、これは自分の立場がたまたま責任者だったからできただけであって、他の工場に同業種の転職をしてもこの偽造行為はまたしないといけないと思い、このふざけた行為が自分の努力とか仕事を自分で汚しているように思えて、張り切って同業種に転職しようとは思えませんでした。

こんな青臭い事(偽造したくないので別業種に転職するつもりです。)を言っても、世の中はそんなに甘いはずも無く、中年で職歴のない業種に転職希望するもなかなか決まらず、半年くらい遊んでいる状態になってしまいました。
この間は、求人条件などで良く書かれている資格の取得をして、精神衛生を保っていました。

 

転職後は病院施設のビルメンテナンス業務。ボイラーの日常点検、整備等の管理などを行なう仕事。

 病院施設のビルメンテナンス業務を行うようになりました。
年齢は高かったのですが、資格を持っていると言うことで採用になりました。(危険物乙種4類、ボイラー技士2級、3種冷凍機械)

仕事は、ボイラーの日常点検、整備等の管理、施設の空気環境測定、エアハンドリングユニット・給排気設備・給排水設備の点検整備、電気設備の絶縁抵抗測定、空調機の点検整備、等で、これと別に営繕行為(既設設備の故障、破損時の修理)、サービスで備品の故障時の点検整備を行っています。

営繕で特に多いのが水回りの故障で主に水漏れです。やはり大人数が使用するのでお風呂の蛇口一つとっても一般家庭ではせいぜい数回しか開け閉めしないような洗面器の蛇口でも、一日中開け閉めするので、壊れるのはあっというまです。

 

建設業界の独特な世界観に合わなかったので転職を決めた

 偽造書類が作りたくなかったのが第一で、建設業界の独特の頭の悪さというか、責任も持てないのに発言(ほぼ強要ですけど)だけは人一倍するので、同じレベルに見られたくなかったというのが第一です。
例を挙げますと、先に述べたスランプなんかは最たるものです。土木工事などは8cm±2.5cmで施工しないとだめなのですが、これはしんどい作業です。

たしかに現場の人にはきついかもしれないのですが、改善を求めるにしても土木作業員→監督→担当行政職員→審議→担当行政職員→監督→改善指示(生コン屋)これが、踏まえるべきルートになるのですが、実際は土木作業員(絶叫、殺意)→担当行政職員(帰る)→監督(硬いんじゃボケェ)→生コン屋(現場で加水)→ひび割れ発生→監督(なぜひび割れたのですか?オタクの製品悪いんじゃないですか?)→生コン屋(頭大丈夫ですか?)
こうでした。こんな状態で良く続いたと思います。

 

勤勉な人が多く適職だと感じた。人間関係で困ったことはない

 ビルメンテナンス業界は他の業種から転職してきた人が多く、尚且つ資格勉強を自分の時間にやるような真面目な人が多いので本当に天国に感じました。

生コン屋は偽造が多いのでさげすまれますが、実際やっていくには化学、統計学、コンクリートの専門知識、通産局員や、研究所所長など、現場で製品検証する必要があるので、こういった人と話が出来るだけの技術力が求められるので、勤勉な人が多く、本当に適職に感じました。

職場の人間関係で困ることはなかったです。職人上がりの人が入れるような現場もありますが、官公庁の病院施設管理なら有資格者でないと採用すらされないので、ワレオノレといった人種が入れないようになっていいますし、喫煙者も皆無です。本当に、最高だと思いました。

 

独学で取り組む根性が必要だったので率先して覚えることを行った

 困難、困難という困難はなかったように思えるのですが、逆に言えばあーしろ、こーしろとか初心者でも年齢が高いとあまり指導してくれませんので、独学で頑張れる根性が必要になってくると思います。

空調機の構成機器の説明などは最初全くしてくれませんでしたが、社内電話で入れてくれ切ってくれと言った指示が来ます。
この辺は同じ部屋に人がいれば説明してくれますが、人が居ない深夜など(当直で一人でいる時間がある)はそれらを覚えている必要性があり、このへんのスイッチのどこをいれたらいいのかとか、異常警報が鳴った場合、どういった対応をすれば改善するとか、この辺は自分で率先して覚えるようにしないと、ここで働くのは難しいなと思いました。

 

作業は簡単だが、経験が必要。指導してくれる人がいない。

 人格者が多いのですが、めんとうむかって発言する人が少ないので、自分のしている行為が正しいのかどうか分かりかねる時があります。
作業自体は簡単ですが、その行為をなぜ行うのかを理解するためには知識を得ないと意味がないことが多く、例を挙げますと絶縁抵抗測定というのがあります。
これは、ブレーカーを開放した状態で設置線を別に確保した状態で二次側に一つづつ端子を当て、抵抗値が一定以上あるのかを調べる試験ですが、これは設備の老朽化の目安になります。
この数値は規格で100オウムとか10オウムとか決まっているのですが、実際そこまで絶縁抵抗が低下していると、漏電するのでもっと大きい数値が出てきます。(メガΩとか)この数値の変化を見る必要があるのです。このへんは経験ですかね。

 

転職するなら若いうちに!根性があれば転職してもうまくいく

 若い時、まだ最初の業種で一人前になるまでに転職されるなら、年齢も若いので成功しやすいと思います。
一人前になれるような30代中頃でやむをえず転職する事になった人は本当に地獄だと思います。どうやっていけばいいのか途方にくれると思います。

でも、一つの職種で頂点を極めれる能力というか、根性があれば。転職しても、仲間を大事にすることだけを心がければうまくいくような気がします。

年齢が高いと無理が利きにくくなってくるので、根性だけでは乗り越えれない部分も出てくると思います。
でも、仕事に立ち向かう姿勢というのはどんな仕事に変わっても、その姿勢が常識に照らし合わせて問題がないのであれば同じだと思うのです。

成功者というわけではないですが、経験者がそう感じたので、参考にして下さい